この図は、サッカーを中心としたスポーツの競技者、指導者としての経験、学習塾での読み書き計算を中心とした学習の指導、研究の経験から学んだ、成長のプロセスを独自の観点で図示したものです。

何よりも子どもたちに「みんなと生きる力と喜びを」

学力や運動能力、様々なスキルを高めるのは何のためか? それは自分のためであり、ひいては周りの人、世の中のためになると信じています。

どんな子にも、「真の自信」を磨いてほしいと思っています。
自信とは、「自分のことを好きになって、自分を信じること」

自信を持つことができれば、周りの人も信じて、協力できると思います。

自分を磨き、みんなで切磋琢磨して成長し合い、喜び合える
そんな「生きる力」を身につけてほしい。

一人で高く長く生き延びるよりも、
みんなで太く強く生きていく力へ。

何より社会的な成功や失敗に左右されない、
「喜びの多い、豊かな人生を歩んでほしい」と願っています。

自己肯定感 自立 やり抜く力 協調性 共生力
おもいやり 克服力 諦めない力 失敗を恐れない

非認知能力が大切と言いますが。。。

最近よく耳にするようになった「非認知能力」という言葉。
上にも挙げている自己肯定感や、やり抜く力などがあります。

これらはもちろん子どもたちの将来にとって大切なことは言うまでもありません。

ですが、世間ではあたかも非認知能力が特別なやり方で身につくかのように表現されていることが多くあるようです。

大切なことは「誰が主語か?」ということです。

「非認知能力は」他人が数値などで明確に認知できない、目に見えにくい力です。ということです。

ですが、その力を身につけるのは「子どもたち」です。

子どもたちを主語にすれば、「子どもたちの認知能力」を高めないで、「他人からの非認知能力」を高めることもできないと思うのです。

お絵かきやパズルなどの幼少期の遊びであっても。どんな形かな?こういう風にしてみたいな?と、認知して、判断して、行動していきます。

この認知がうまくいかない子は、遊びを楽しむこともできないのです。

どうやったらやることを楽しめない子が自信をもったり、自己肯定感という格好良い名前の力を身につけることができるのでしょうか?

①将来、子どもたちには「スキル」を


 子どもたちには、自分で正しいか正しくないかの判断をして、成し遂げたいことに対して広い視野から、論理的に考えて、周囲の人とも連携して行動できる力を身につけてほしいと願っています。

そのためには、状況に合わせて、目的のために、自分の持っている手段を使う力=「スキル」が必要です。

身につけた学力、技術といった「テクニック」を状況に合わせて使う力=「スキル」ともいえるでしょう。

②テクニックがあっても、実践で発揮されなければ


 例えば、サッカーでは。リフティングというものがあります。
 地面にボールがつかないように、手以外を使ってボールをつくという技術、テクニックです。

 リフティングがいかに上手で、何千回鮮やかにできたとしても、試合ではボールに触ることすらできないという選手もいます。テクニックはあるけどスキルがない典型例です。

 ボールコントロールの巧みさを試合で活かすためには、状況判断や周りとのコミュニケーション、連携、先をイメージした動きなどが必要になるのです。

③学力が伸びない理由は、学力以外のところに

日本では、算数や英語などの学校の勉強ができなくなったり、困ったら、その勉強のやり方等を教えてくれる塾などに行くというのが一般化されていますね。

私も読み書き計算の塾に長年携わっていたので、現状がよくわかります。

できるところから復習したり、分からないところを個別に分かりやすく解説してもらったり。
これらの学習や指導もとても大切なことだと思います。

ただ、根本的な力が未熟な場合、思うように習得できなかったりする子も多いことを忘れてはいけないと思うのです。

計算でも読解でも、英語の習得でも、土台となる集中力、記憶力、ワーキングメモリーといった力が必要となるのです。

計算などをしていると集中力が身につくといった表現を耳にすることがありますが、人間のもつメカニズムから考えても逆だと思うのです。

何度計算をやっても集中力が上がらない子はいますが、
集中力を身につけているのに、ある程度の時間計算をし続けられない子はいないですよね。

④集中力、記憶力等を支える見る力

集中できずに、何かやる時に気が散るという子にはよく遭遇します。
そういう子にされる、「集中しなさい!」「早くやっちゃいなさい!」などという指導というか、声がけもよく耳にします。
しかも、そのやり取りが何度も繰り返される未来が待っていることもよくあります。

記憶力についても、同じようなことがありますね。
「何回もやったでしょ!」(いい加減覚えたら??)
「集中してやらないから、すぐに忘れちゃうでしょ!」

といったやり取りが。

集中して取り組めない、なかなか覚えられない本当の理由と向き合うことが大切です。

もちろん一概に言うことはできませんが、気が散って集中できない子の中には目線を動かす眼球運動が苦手な子や周辺視野が狭い子がいます。
教科書やプリントなどの文字などを凝視したり、追いかけていくこと自体がしんどいので顔を背けてしまったり、見ること、取り組むことを投げ出してしまいたくなるというのが根本的な原因になっている子もいるのです。
大人でも、印刷がぼやけていたり、字が小さすぎて、資料を読む気になれずにぼーっと講義を聴いたりした経験ありますよね。

こういうお子さんで、眼球運動のトレーニングをしてスムーズになることで集中できるようになるということもあるのです。

記憶力もそうです。目で形が鮮明に捉えられない子や、見えていても形や空間を脳で正しく判断や情報処理ができない子もいます。
それが理由で、何度書いても漢字が覚えられない等の状態になっている可能性があるのです。
トレーニングによって、形を上手に捉えて脳で判断できるようになることが漢字だけでなく、見たものや経験したことを覚える記憶力の向上につながることがあるのです。