テレビや本で少しみたんですが、ビジョントレーニングってどんなものですか?

日本ではまだ認知度が低いトレーニングですが、アメリカ発祥と言われ、北米やヨーロッパなどではスポーツや学力の向上のために一般的に取り入れられているトレーニングです。

人間は80%以上の情報を「目」(視覚)から「最初に」得ていると言われています。
この「最初に」というのが重要です。
目から入った情報を、脳で処理して(情報処理)、体を動かす(行動する)。目→脳→体の順番に、三位一体で、連動してあらゆる活動をしています。

そのメカニズム、体の発達過程などを踏まえて、目・脳・体をいかに動かして、認知力、判断力、記憶力、ワーキングメモリー、運動神経、視空間認知、目と体の連動性、器用さ、感情のコントロールなどの力を鍛えられるか?にチャレンジしていくのがビジョントレーニングです。

掲載写真などには小さなお子さんの事例が多いようですが、高学年、中高生、大人でもレッスンは受けられますか?

当スタジオでは4歳~大人の方まで幅広くレッスンや指導をさせていただいております。

では「なぜ幼児や小さい子の事例を多く紹介しているのか?」
年齢が低いほど伸びる可能性が高く、躓く前に楽しく伸びていってほしいという願いはもちろんですが。

指導という面で幼児低学年の指導が一番難しく、一番多くのことを教えてくれるからです。

日本ではスポーツや運動指導の現場などでも、まだまだ逆の風潮が強いようですね。
プロや大人に対する指導の方が難しく高度なものとして評価され、そこでうまくいった方法を子どもたちにも活用していくことが効果的だと。

なので指導者も子どもたちには若い新米先生を、プロや大人、中高生にはベテランの経験豊富な先生がつくという考えがいまだに根強いですね。

ヨーロッパなどスポーツ先進国と言われる国々ではかねてから真逆の発想です。
子どもたちにはベテランの指導者が、若い新米指導者は中高生や大人の指導から経験していくそうです。

私もこれまでスポーツや学習の指導で0歳~大人の方々まで幅広い年代の方に関わらせていただく中で、子どもたち、特に幼児低学年時期の子どもたちへの指導の難しさと奥深さを痛感しています。

そしてもう一点、難しい子どもたちへの指導から得た指導スキルは、年齢の高い高学年や中高生、大人の方への指導にも大いに生かされるということです。
(逆は通用しないことが多いことはあまり知られていない事実です。)


読み書きや運動が苦手な子が行う特殊なトレーニングですか?

日本では何かに躓いたお子さんや、苦手はお子さん向けに取り入れられることが多い現状ですね。
ですが、本来は、躓いたり苦手を感じる前に始めたり、学習や運動、スポーツをもっと上手になりたいと思って、自分自身を磨き鍛えていくためのトレーニングです。

実際に当スタジオでは、学力の向上、サッカー、野球、テニスなどの競技力向上、ピアノやダンスなどのパフォーマンス向上、幼児期から強固な土台作りなど、色々な目標・目的をもって日々トレーニングに励んでいます。

スポーツビジョンに興味がありますが、そのようなメニューもありますか?

日本ではまだまだ「ビジョントレーニング」自体の認知や普及が進んでいない現状ですが、そんな中でも色々な団体の方が様々な目的のために色々な名称をつけて取り入れ始めているため、名称などによる誤解や誤認も広がっているようですね。

「スポーツビジョン」はあくまでもビジョントレーニングの一部です。

スポーツビジョンと聞くと、スポーツならではの特別なトレーニングメニューや方法が存在するように思えますが、特殊な方法があるわけではありません。

もちろんスポーツ固有、各種目特有に求められるビジョン(視機能)というものもあります。ですが、それ以上にどんな種目にも共通して求められている視機能、力の方が圧倒的に多いのです。

特に様々な運動、スポーツの土台作りをしていくべき子どもたちの年代では、種目特有の動きや技術に絞って練習することよりも、幅広く色々な刺激の中で色々な動きや技術を習得した方が将来の可能性や伸びにつながります。

ビジョントレーニングについても同様です。

当スタジオでは、実際にプロを目指してサッカーや野球を頑張っている子どもたちがビジョントレーニングに励んでいます。
もちろんその子その子に合わせて、各競技固有の要素や特性も説明しながらトレーニングメニューに組み込んでいきます。

スポーツビジョンという名称を謳わなくても、結果としてスポーツビジョントレーニングにもなっているのです。

本やネットで調べて家でもやってみましたが、なかなか続きません。どのようなことをされているのですか?

最近では事前に色々と調べて、実際に本やネットの情報を頼りにご自宅でトレーニングをしてみた上で当スタジオにお越しくださる方も多くいらっしゃいます。

皆さんよくおっしゃるのが、「良いとは思うのですが、なかなか家では続かなくて。。。」。

ご家庭だけではなく、他の施設でビジョントレーニングをやっていたり、他のビジョントレーニング教室でやっていたという方もいらっしゃいます。

特に子どもたちは、楽しくないと続きませんね。

日本ではまだまだビジョントレーニングを専門に行っている教室は少なく、専門的に行っている教室でも、「紙やえんぴつを使うもの」や「机の上でパズルなどの細かいことをする」時間が多いようですね。

当スタジオでは、「どうやったら楽しみながら継続して成果をあげられるか?」を日々追求しています。

例えば、紙や鉛筆は使いません。

専用マシーンを取り入れているのはもちろんですが、大きな画面に直接タッチ操作をしたり、書いたりできる電子黒板も使用して、広く大きく素早く目・脳・体を動かすメニューを沢山行っていきます。

もちろん色々な種類のボールゲームやバランス運動をオリジナルメニューでアレンジしています。
サッカー、野球、テニス、バトミントン、バスケットボール、ドッチボール、射的、チャンバラ、卓球、ホッケーなどなど、あらゆるスポーツの道具や動きを組み合わせたり、新しく生み出したり、工夫は無限に広がります。

子どもたちの「楽しい」を更新して、継続していくことは本当に難しいことですが、2年以上経っても「とにかく楽しい!」といってくれている多くの子どもたちと一緒に日々楽しんでトレーニングしています。

グループレッスンは何人くらいで、どんな感じで行いますか?

各グループ、3~5名を中心に行っております。
最大人数は7名としていますが、何よりもお互いによい刺激を受けながら一緒に伸びていける人数、組み合わせを大切にして慎重にグループ編成をしていきます。

年齢や学年の構成も色々なパターンがあります。
同じ年齢がかたまっているグループもあれば、低学年と高学年の子が一緒のグループもあります。

日本の運動系の習い事では、6~15名くらいの生徒に1~3名の指導者がつくことが多く、この形態を少人数グループ、手厚い指導と思われることが多いようですね。
数字的に計算すると確かにそう思えるかもしれませんね。

ですが、実際には例えば60分のトレーニングの中でも一人の生徒さんが実質的に意味ある動きや練習をしている時間は10分程度というこもよくあります。
それを週に1、2回の頻度で行うのも定番化していますが、トレーニングの強度と頻度が足りずに効果が出にくいこともよくあります。

特に子どもたちが嫌いで苦手な要素は、
・一斉に号令や指示でやらされること(例 風船をゴールまで運んでみよう!)
・説明やお手本を見聞きする時間が長いこと
・並んで順番にやること(例 先生と一緒に鉄棒するために2、3人が並んで順番にやる)
・やれているかやれていなかはっきりしないことをやること(例 みんなでボールを落とさないようにリフティングで続けてみよう)
・手取り足取りふれあいながら教えられること(例 マット運動で指導者が手で支えながら前回りをさせてあげる)
・用意されたメニューを嫌でもやらないといけないこと(例 できないメニューがあっても、みんなと一緒に一斉にやっているから、何となくごまかしてやっているふりをする)
等です。

(もちろんこれらの要素にも社会性の教育的視点から重要なことも多く、段階に合わせて敢えて要求することもあります。)

これらの要素を減らしていく、またはなくしていくことはとても難しいことですが、日々チャレンジをしています。

「他の教室とは全然発想が違う、もっと早く出会いたかった!。」と多くの保護者の方に言っていただける理由の1つかもしれません。

何歳からレッスンに参加できますか?

発達の状況など個人差もありますが、4歳ぐらいからのトレーニングが有効だと思っています。

視機能の基礎は一般的に6歳頃までにできあがってくると言われています。
他の機能同様に、「6歳になって急にできあがるわけではない」ことが重要です。

子どもたちを見ていると、2、3歳の頃から視機能の個人差は出始めています。
4歳くらいになるとその差も顕著になってきます。

私の経験と考えでは、ビジョントレーニングを少しでも早く始めれば良いとは思っていません。
一番の願いは、「困って始めるのではなく、その子なりに遊びのように楽しんで始めて伸びていってほしい」ということです。

スタジオでは4歳半くらいから、待ちに待ってレッスンに参加してくれる子どもたちが増えてきています。

対象年齢の4歳~小学6年生(12歳)の全年齢(学年)の子が在籍してくれていますが、どの年齢でも遅いということはありません。
楽しんで一緒にトレーニングしていく気持ちが何よりも大切です。

「楽しそう、やってみたい、できないことがあってもやってみたい」という気持ちの芽生えが始めどきです。

運動教室に通っていましたが、運動が苦手なままです。運動神経が低いので仕方がないと思いますが?

日本では、何となく「幼児期から運動することは良いみたい」という風潮が広まり一般化していますね。

決して悪いことではないと思いますが、正しく理解されていないことが多く、保護者の方から「運動はさせてきたつもりなのに。。。」というお話をよく耳にします。

「運動神経」ということにも誤解が多く、運動神経を磨くために、「運動(体操)教室、スイミング」に通わせるという方もとても多いようですね。
実際に当スタジオでも8割以上のお子さんが、幼児低学年時期に通っていたようです。

運動神経は遺伝で全て決まるわけではなく、経験やトレーニングによって高めていくことが十分に可能です。
また運動神経を考える時には、「運動能力(身体能力)」と区別にしておく必要があります。

ここでは大まかな説明に留めますが、簡単にいうと、運動能力は、筋力や手足の長さ、瞬発力などのスピード、パワーなどに関係してもたれされるパフォーマンスです。

それに対して運動神経とは、自分の思い通りに状況に合わせて体を動かす、反応することがどれくらい速く正確にできるか?という物で、
そこには目・脳・体、認知・判断・行動(反応)の連携がとても大きく関係しています。

運動能力は遺伝の関わりが大きく、運動神経は遺伝の関わり小さく、努力で伸ばしていける可能性も高いといえます。

ですが、この運動神経を磨いていくためには、ただ漫然と運動、体を動かせばよいというわけではありません。

効果的に磨いていくためには、「目」と「脳」をしっかり使うこと。
言い換えれば認知と判断を伴った「意味のある動き」を行っていくことが大切です。

スタジオの子たちで運動教室に通っていた子によく見られるのは、鉄棒や跳び箱、かけっこ、側転など特定の運動はできるのに、運動神経は磨かれておらず、自分の体を思い通りに動かすことが苦手な子です。

逆に鉄棒や側転はできないけど、運動神経は高く、上手に状況を認知して、正しく判断して、体を的確に動かすことのできる子も沢山います。

スタジオのレッスンで短期間で劇的に運動神経を伸ばして、運動が特になるとは言いません。

ですが、その子なりに楽しく意味のある動きをしていく中で、運動神経が少しずつ高まり、できることが増えていきます。

眼球運動の改善で読み書きがスムーズになることは分かりますが、学力面にはどう影響するのかがよく分かりません?

私は学習塾の企業にも12年以上勤務し、特に英語、国語、算数という全ての学びの基礎になる学力をいかに身につけ伸ばしていくか?ということにも携わってきました。

今でも学習塾の指導者の方向けに、観察、指導のスキルアップのための講座や勉強会も定期開催させていただいております。

日本では学力を向上させるためには、進学塾などにいって、「学力に専門的なトレーニングをしないといけない」という風潮がとても強いですよね?

もちろん大学受験や高校受験で結果を出すためには、テストの傾向や対策を理解して効率よく学んでいくことも必要なこともあります。

ですが、受験には成功したけど、その後自分で考えて、判断して、状況に合わせて発言をしたり、活動や仕事をしていくことに苦労している人たちも多いのが実情ですよね?

そうなってしまう1つの大きな原因は、「学力」=「学校での勉強の力」=「学業の知識や成績」という認識が強く、本来の学力が身についていないことだと思っています。

私の考える「学力」とは、「学びとる力」であり「学びとった力」。学校での勉強の力などはその一部に過ぎないと思っています。
更には、学力は「その時点での力」であり、1回身につけたから一生消えずに残るものではないのです。

その上で、学力にビジョントレーニングがどう関係しているのか?

ビジョントレーニングでは、目・脳・体、認知・判断・行動の全てにアプローチしていきますが、特に重要な要素、認知力、判断力、記憶力、集中力、頭(脳)を働かせ続ける力を高めていきます。

これらの力が高まると、例えば漢字を覚えようと学校の勉強にチャレンジした時にもその覚えがよくなり記憶も上手になります。
認知、判断などの高まりによって計算も速くなります。
集中して、頭(脳)を働かせ続ける時間が長くなり、文章読解や文章題での論理的理解の高まりにも繋がっていくのです。

トレーニングによって、学力の土台が強固なものになることで、学力の一部である学校の成績の向上にもつながっていきます。
ひいては、学校の成績に留まらず、強固な土台が将来の学業や仕事の場で自分で考えて行動する力も色あせずに残り続けると考えています。