困っている子の多い立体視? 漢字の書き、器用さ、スポーツにも大きく関係?!(バイキンマンがなぞれるかな?)
奈良市富雄駅前のビジョントレーニングスタジオ Sonomono-Coachingの齋藤です。
「立体視」(両眼視)には色々な専門的アプローチや考え方がありますが、ここではあくまで日々のトレーニング指導の中で見えてきた子どもたちの違いと他のパフォーマンスとの関係性について少しご紹介したいと思います。
両眼視、簡単に表現すれば、「両眼を上手に使って、見ている物や情景を正しく理解すること」です。
人間は、鼻を堺に離れた位置にある左右の両眼をバランス良く使うことで、奥行きや深さ、距離感などを3Dで捉える立体視ができると言われています。
両眼で同時に見る「同時視」、見たもを脳で融合する「融像」、立体的な像として捉える「立体視」と段階構造があります。
下の機械は、両眼視の傾向を大まかにでも把握して、上手に両眼を使う練習器具として使っているものの1つです。
上から両眼でレンズをのぞき込んで、見えてきた見本の絵を、鉛筆などでなぞっていきます。
例えば、子どもたちにもおなじみのバイキンマンのイラストを見本にしてチャレンジ。
右手利きの人は、写真のように、左目でしか実際のイラストを見ることができません。
右目でのぞき込んだレンズの先に実際にあるのは、自分の右手と鉛筆だけですが。
左目で見ているイラストの像が、目の前の紙の上に映っているように見えてきます。
ここで、左目で見ているイラストの線を見ながら、右目では自分が持っている鉛筆の先を確認して、2つの像を合わせながらなぞっていかないと上手く書けない仕組みになっているのです。
まずは何より、両眼を同時に、いっぺんに、使うことができるか?という力が試されます。
同時に見られないと、イラストだけ見えて、鉛筆の先が消えて見えなくなったり、その逆が起こったりしてパニックになってしまうのです。
上の写真3枚は、両眼のコントロールが苦手な小学生の書いたバイキンマンです。(小4、小1、小2)
おおよそ6歳を過ぎると年齢による発達の差はほとんどなくなり、例えば小1でも上手く書ける子がいれば、小6でも上手く書けない子がいます。
こちらは両眼のコントロールが上手な子たちの書いたバイキンマン。(小1、小5)
6歳を過ぎたら年齢差の影響がほとんどないこともおわかりいただけるかと思います。
特に右側の小5の子は本当に上手に書けていて、ほぼお手本通りです。
(イラストを鏡で見る仕組みになっているので、左右は反転しています。)
この子は年長さんから5年以上トレーニングを続けているお子さんです。
始めた頃から小1の終わり頃までは、眼球運動の苦手さもあり、模写などの書きにも難しさがありましたが、今ではむしろ書きは得意になり、色々なことを器用にこなせるように成長されています。
このように見ていくと、「絵のうまさが関係しているのでは?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、あくまで見えているイラストを「なぞる」だけなので、いわゆる絵のうまさはほとんど関係していません。
大人の方も含めて、絵が上手なので自信を持ってチャレンジしたら、全然思い通りに書けずに驚かれることがよくあるほどです。
絵の上手い下手以上に、もっとよく目の当たりにするのは、
「日常生活で、しっかりしている」お子さん、親御さんも「しっかりしている」と思っているお子さんでも、実は両眼が上手く使えていなくて、本人は内心とても困っていて、「何か上手くいかないことが多いな?」と何となく学習や運動などに自信が持てないでいる子が多いということです。
上の写真の上手く書けない子たちもそうですが、スポーツが好きで、サッカーやテニス、バスケットボールなどの球技を楽しく頑張っている子の中にも、両眼がうまく使えていない子は沢山います。
小3、4生くらいまでは、どのスポーツでも難しい課題が要求されていなかったり、何より「自分のペースで自分から仕掛ける練習」が多いので、実は苦手な距離感や、空間認識、視野の狭さなども気付かれずに過ごしていくことも多いようです。
両眼視はできないといけないものでもありません。できなくても日常生活に困らずに生活することはできます。
でも子どもたちを見ていると、苦にせず無理せず、伸ばせるなら伸ばしてほしい力の1つです。
力を伸ばした子どもたちは、以前よりもイキイキと楽しく、広い視野で、自分のやりたい道に向かって成長してくれています。
こちらのスタジオでは、医療や療育ではなく、「力を伸ばすトレーニング」をどう一人ひとりに合わせて楽しく効果的なものにしていくか?を追求しております。
漢字の書き、手先の不器用さ、集中力のなさ、運動の苦手さ、スポーツの習熟の難しさ等、何か気になっていることがあればお気軽に体験会にお越しください。
一緒に子どもたちの苦手さと得意なことを確認して、その原因を考えることから始めてみましょう。
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