ビジョントレーニングとの出会い
これまで約12年間にわたって学習塾の企業に勤め、幼児さんや小学生を中心に読み書き計算の学習指導に携わってきました。
進学塾とは違い、進学のためだけでなく、どんな子でも目の前の勉強の習得に困っている子の少しでも役に立ちたいという思いで日々観察と研究をしていました。
そこで出会った子どもたちに教えてもらったことは、やっぱりどんな子でもみんな学びたい、もっとできるようになりたいという気持ちをもっているということ。
一方で、気持ちはあっても思うようにいかない子も多いという現実です。
例えば、計算問題であればたし算はもっとも簡単とされる計算です。
一般的には小学1年生で習い、日本であればほとんどの子ができるようになっているという前提で世間では思われています。
でも現状は、例えば6+3=9 という問題を何回やっても覚えられずに苦労している子は沢山いるのです。
小学1年生に限らず、高学年の子でもいます。
皆さんは、できない理由は何だと思われますか?
日本の教育現場では、まだまだこの理由を、その子の能力不足、努力不足と捉える傾向が強くあります。
能力というのは、漠然と計算能力?が劣っているから、何回も繰り返して練習する必要がある子と判断し、
何回も練習をしない場合は、能力が低いのに努力をしない子と思ってしまうのです。
さすがにその子を責めたりする大人は減ってきていると思いますが、心の中でそう思って接してしまっている大人は多いのです。
私は教育の現場でこのような光景を何度も目の当たりにする中で、大きな疑問を感じていました。
できない理由は能力が低いから? じゃあ計算能力っていうけどそれってどんな能力? どうやったらその能力はつけていけるの?
そこで10年以上にわたって、とにかく色々な学年の様々な状態の子がたし算などの簡単と言われる計算に取り組む様子を詳しく観察し続けました。
そこで見えてきたのは、子どもたちの「見る力」には大きな違いがあるということです。