社会人で必要なスキル 自由な発想力?
ビジネスに関する雑誌や書物は世の中にあふれかえっていますね。
それ以上に、現場で目先の課題に悩んでいるビジネスパーソンも多いように
感じます。
これまで、後輩たちの相談には積極的に耳をかたむけてきました。
どの悩みにも、「こんな本を読んでみたら」と進められるものはありませんでした。
なぜなら、課題は、よくあるハウツー(How to)、こういう時はこうすべき、といったことを形で示せるようなものではなかったからです。
例えば、ある後輩が、自分が講師を務める少人数向けの勉強会の内容を決めるのに悩んでいました。
時間は2時間。仮にテーマは「幼児期に大切な国語の力」だったとします。
どんな内容で、どう伝えるのかはその後輩の自由裁量に任されています。
さて、その後輩は何に悩んでいたのでしょう?
何から手をつけたらよいか?(考えたらよいか)が分からないと言っていました。
その後輩に限ったことではなく、よくあることではないでしょうか。
こういう時に、ハウツー本をみたりすると、
「まずは、話す全体像を描いて、大きな骨格から考えていきましょう」
といったアドバイスに出会ったりします。
私もその通りだと思いますし、もちろんその課題もあると思います。
でもこういう状態の人に、そのアドバイスをしてもあまり効果的ではないことが多いのです。
話をしてみると、根本的なところで、「自分が一番伝えたいことは何か?」と向き合っていないことが多いからです。
その後輩の場合もそうでした。
何を一番伝えたいの?と質問すると、「幼児の国語の大切さ」です。
という答え以外出てこないのです。
それは与えられたテーマであって、講師として自分の中からでてきた伝えたい内容ではないのです。
その違いから理解していかないといけないのです。
話をしていくと、少しずつ具体的に伝えたい内容が出てきます。
やっとスタートラインです。
まだ序盤ですが、対象者のことなどを考えながら、自分の伝えたいことを絞って、2時間という時間も考えて、一番伝えたいことを絞りきっていくのです。
その後も行程はつづきますが。
今回話題にしたいのは、一番最初のスキルです。
なぜ、伝えたいことを最初に考えることで躓いてしますのか? です。
世の中的には、発想力とか、イメージ力と言われる部分だと思いますが。
スキルとして未熟なのは、
「相手のことも考えて、伝えた先に起こることを思い描いて、わくわくしながら考えること」
とその経験です。
自分に裁量権が与えられているということは、成功しても、失敗しても、自分の責任が大きくなります。だからみんな恐いのです。
だれかに無理矢理やらされたというシチュエーションの方が後で言い訳できますもんね。
社会人になって、生き生き活躍するためにも、
失敗を恐れずに自分の提案を形にする経験を沢山してほしいと思います。
そんな社会人でいっぱいになったら、もっと失敗をゆるせる豊かな社会にもなると思うので。