習い事を足し算していませんか?(伸びる子がやっている〇〇算)
今の子どもたちは疲れている。
スタジオで日々子どもたちと接していてまず思うことです。
スタジオでのレッスンも習い事の1つとして、「この子にとってレッスンすることが負担になっていないだろうか?」と日々自問自答しています。
コロナ禍では更にそのことを強く思います。
最近では4つ5つの習い事を掛け持ちすることも増えていますね。
お話を伺っていると習い事を「足し算」で増やしていかれる方が多いようです。
1例として、よく耳にする男の子のモデルケースでは。
3~4歳くらいで、少し不器用かな?運動不足で運動も苦手かな?と思って運動教室に通い。
運動はしているけど、泳げるか心配でスイミングにも通いだし。
6歳の年長さんくらいには、そろそろお勉強のことも心配になり、まずはひらがなの読み書きのための学習塾を探してみる。
小1~小2の頃には本人のやりたいものも出てきて、サッカーやテニスなどのスポーツ系かダンスやプログラミングなどの創作系もやってみる。
この小1,2年の時期は、学校での成績で得意不得意なども見え始めるので、計算が苦手ならそろばんや計算塾を検討し、学校では英語が足りないと思えば英語の塾を検討し始める。
もちろんこの過程で、引き算といいますか、運動教室を辞めてテニスに入るなどもありながら、小2の頃には例えば、スイミング、読み書きの学習塾、テニス、そろばん、英会話と気付けば5つ通って週の予定はギッシリに。
そのような日々の中で、ある時ふと「色々沢山やらせてきたけど、何だかどれも伸び悩んで苦しそうだな、うちの子だけかしら?」と言ってスタジオに来られる小1~小3生がとても多いのです。
これまでも多くの保護者の方のご相談を受けてきましたが、沢山の習い事をすることを否定したことは一度もありません。(もちろんこれからも)
それでも、悩んでおられる方におすすめしているのは、ある意味「割り算」で考えていくことです。
引き算でもなく、答えが「0」にもなる割り算というのがポイントです。
例えば前述の結果的に5つの習い事に通っているケース。
お子さんに必要だと思っている要素を大まかにあげても8個あります。
- 運動が苦手
- 運動不足
- 不器用
- 読み書きが心配
- スポーツもやってみたい(サッカーやテニスなど)
- 話題のプログラミングも気になる
- 計算力をあげたい(計算熟、そろばん教室など)
- 英語力もあげたい(英会話、英語教室など)
これを足し算で考えると、1+1+、、、、=8 となります。
もちろんさすがに8個通うのは物理的に不可能なので、「引き算」も必要になり、
8-3=5個に絞るということになります。
この後も、足し算と引き算はセットで進んでいくことになります。
結果的に中学生にあがるタイミングなどで一旦3-3=0というように、「0」習い事に何も通わなくなるということも多いのではないでしょうか。
(中学校以降も新たに塾などが始まる場合も多いわけですが)
大まかには足かけ10年くらいかけて、親御さんも色々なことを経験しながら、習い事を「0」にしていくことになるのです。
それに対して私がおすすめする「割り算」で考えるとは?
「最初から0にもなること前提で要素を絞り込む」点が足し算と全く違います。
上記の8個の要素もまだまだ割り算ができます。「この習い事をしたらこの要素も解決できそうだ」という大きく割れる共通点を探してみるのです。
もちろんここでも「引き算」も使います。
「そもそも習い事でないと解決できない要素なのか?」をまず考えて、家でもできそうなことは最初から引き算して減らすことから始めるとよいと思います。
上の8個の要素のケースを、引き算からの割り算で考えてみましょう。
「家でもできることはないかな?」
「この要素は、他の要素と共通していないかな?」
とご自身に問いかけてみてください。
思った以上に、この「引き算からの割り算」が難しいことに気付かれると思います。
例えば、①~③と⑤は運動に関するという共通項があるから、まとめることができると気付かれる方は多いと思います。
その場合は、4つの要素を解決する習い事として、例えば運動教室もしくはサッカー教室を選ぶ。
これで8÷2=4個くらいに絞れたことになりますね。
その考えでいけば、残りの④と⑥~⑧の4つは、どちらかというとお勉強系だから1つにまとめることができそうですね?
でもそう言われたら、選択に迷われるのではないでしょうか?
英会話には英会話でしかできないことがあるし、そろばんも特殊な技能だし、プログラミングだって他ではできないし。。。と。
割り算をしようとしても、「ここが解決しないと要素を絞り込むことは難しい」ですね。
もっと言えば、①~③と⑤は運動系だから運動教室やサッカー教室が解決してくれるという部分にも大きな落とし穴があります。
やる内容と時間と頻度といった重要なポイントが抜け落ちることが多いからです。
例えば週に1回、1時間くらい、10人くらいで運動やサッカーをしても、運動不足の解消にはあまり効果が期待できません。
運動不足解消が目的で、同じ週に1回なら、週に1回は公園で2時間遊んだり、片道30分のスーパーに歩いて買い物に行った方が効果的かもしれません。
先ほどの例、私の引き算と割り算で計算すると、少なくとも8÷3.5=2あまり1の習い事に絞ることができます。
2のうちの1つに「スタジオでのビジョントレーニング」を選択してもらわないと成立しない計算ですが。
「あまり1」というのも大切な部分です。ご家庭の状況やお子さんの様子などについて、割り切れない「あそび」「余白」の部分を持ちながら個別に選択していくことが重要だと思っています。
あまり1はそもそも習い事に使う義務があるわけでもなく、その余白が日常生活のゆとりとなり子どもたちを大きく支えることもあります。
うちの生徒さんでも、選択肢を絞ってトレーニングしている子たちの方が、より高い効果を感じながらイキイキと成長しています。
私はスタジオ開設までに、どんな方法をメインにするか10年以上悩みました。
自分の経験を活かして、サッカー教室、運動教室、学習塾、幼児教室、総合スポーツ教室、読み書き計算教室など、既存の様々な選択肢がある中で、あえて選んだビジョントレーニングの教室。
開設時に自分にも課した徹底的な割り算。
「必要ないと自分が判断したら辞めよう」と最初から「0」で割る覚悟で選択した道。
だからこそ今でもお越し下さる皆さんに、「家でできることや、他でもできることは沢山あるので、まずは取り入れてやってみてくださいね。」
と伝え続けています。
「0」でもよい習い事の1つに過ぎないことを忘れず、初心を忘れずに。これからも楽しんで頑張っていきたいと思います。