よく聞く勘違い 「運動神経と身体能力と運動能力の違いとは?」

進級、進学シーズンの春到来で、幼児さんや新1年生を中心にフレッシュな入会が続いております。

幼少期のお子さんが運動やスポーツの習い事を始めることの多いこの時期に、よく耳にする勘違いキーワードが「運動神経」です。

厳密にいうと運動神経という神経は存在しないという学術的なことは置いておいて。

一般的に使われている「運動神経」の意味を取り違えてしまって、結果的にお子さんの運動神経が磨かれない選択をされるケースも多くあるようです。

実際にスタジオの保護者の方々とお話していると、「もっと早く知っていればうちの子の運動神経ももっと伸びていたかも!」とおっしゃる方がとても多いのです。

よくある勘違いとしては、「運動やスポーツで、やろうとしていることができるかできないか?」で運動神経が良い悪いを判断したり、運動神経の発達や成長を判断してしまっているということです。

私は運動神経と身体能力と運動能力の3つを明確に分けることが大切だと考えています。

(学術的に正しいかどうかではなく、実践的な言葉の整理として)

まず運動神経とは、

自分がおかれている状況を見て判断して、その状況に応じて自分が思い描いた通りに、体を動かして反応(対応)できるか?という力。

身体能力は、身長や手足の長さや、筋肉量や筋肉の質など身体的な要素によって生み出される筋力やスピード、パワー、持久力などの力。

運動能力とは、求められている課題に対して、自分の運動神経や身体能力を使って、どのようなパフォーマンスをすることができるか?

簡単な関係でいえば、運動能力=運動神経+身体能力 という関係になります。

運動能力というのは、「結果的に発揮された今現在の力」として捉えると分かりやすいかと思います。

例えば、5歳の子が、自分の背より低い鉄棒で前回りが1回できた。という時には、「自分の背より低い鉄棒で前回りが1回できた」というのが運動能力で、できた要因には運動神経と身体能力が関係しているということです。

掲載しているのは、娘が150㎝くらいの斜めの板をロープを使って登っている時の様子です。

3歳すぎの時と4歳すぎの時に同じチャレンジをしている写真です。

ちょうど1年くらいで、本人がビックリするほどスラスラと登ることができるようになっていました。

3歳の時は、何とか時間をかけて登れたという状態でした。

「スラスラ登れるようになった」という運動能力があがったわけですが、その要因をしっかり見極めることが大切になります。

スラスラ登れるようになった大きな要因は身体能力の向上です。

太いロープを両手で握る、握力が強くなり、引き上げるという腕の力もあがったことで、ロープを力強くたぐり寄せることができた。ことが一番の要因です。

それによって、以前よりも前傾姿勢もとれるようになって、前にいく推進力も高まり、傾斜にまけずにスラスラ上に登ることができた。という順番です。

ここでよくあるのは、「運動神経がよくなったからスラスラ登れるようになった」という勘違いです。

この勘違いになぜ注意が必要なのか?というのが重要なポイントです。

このロープ登りもそうですが、身の回りには、「身体能力の発育でできるようになるけど運動神経の発達があまり関係していないこと」が沢山あるからです。

これができているから運動神経も磨かれて大丈夫と安心していたら、ある時に急に「できないことが増えて」困ったという保護者の方も多いのです。

日本では運動やスポーツにまだまだ「学校の体育」の考えが根強く浸透していることもあってか、鉄棒の逆上がり、跳び箱、縄跳び等が「できるようになる」ことが運動神経の善し悪しの判断基準になることも多いですが、実はこれらのものには「運動神経」はあまり影響していないのです。

(一般的にはやらない、自分の背よりはるかに高い鉄棒や跳び箱、何種類もの技を組み合わせた高度な縄跳びの連続技などは例外ですが)

脳や神経系の発達が最も活発なゴールデンエイジ、プレも入れたら4歳~12歳くらいの時期に、脳や神経と関係している「運動神経」を明確に捉えて伸ばしていくことはとても効果的です。

状況を判断して、思い通りに体を動かすという意味での運動神経には、「目」が最重要になります。目を意識して、目・脳・体を連動させてこそ鍛えることができるのが実践的な運動神経だと思っています。

スタジオでは、この運動神経を伸ばすビジョントレーニングを行って、結果的に運動能力の向上を目指しています。

(もちろん状況の判断などは学習面にも大きく関係するため、学力の向上にもつながっていきます)

どんな子でも運動神経をよくしますなんていいません。

でもどんな子でも、その子になり、「自分の思い通りに体を動かせるようになる」ことを目指して一緒に楽しく、本当に様々な運動も行っております。

コロナ禍が続き、外遊びなど子どもたちが体を動かす機会がますます減ってきていることが心配です。

こういう時だからこそ、子どもたちに必要な「運動」とは何か? をしっかり考えながら、自分にできることとできないことをわきまえながら、子どもたちに伴走していけたらと思っております。

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