なぜ「スキル」にこだわるのか?

私はこれまで、教育の現場でも、社会人生活でも、「スキル(Skill)」にこだわってきました。

スキルと聞くと、何かビジネス的な色彩が強く聞こえ、何だか冷たい印象を与えてしまうかもしれませんね。

 

でも私がスキルにこだわるのは、人の役に立ちたい、人の成長に関わりたいと強く願う愛情溢れる気持ちを大切にするためなのです。

 

つい先日も、以前お世話になった教育業界の方々との交流でこんな話題になりました。

ある経営者の方が、「なんで最近のコンサルタントは、PRチラシで生徒を増やすことばかり言うのだろう。指導のことはどうでもいいと思っているのかな?」と嘆いておられました。

色々とお話を伺っていると、その経営者の方の悩みの根本は、指導の行き詰まりにあることが分かりました。

なぜ行き詰まっているかというと、一人で考えていても堂々巡りになってしまい、どこにどう進んでいっていいか分からないという面が見えてきました。

私もコンサルティングをさせていただいた時に、よくぶち当たる問題です。

 

私は、こういう時こそ、「軸をもつこと」、「軸を持って高めるべきスキルを明確にすること」をおすすめしています。

 

スキルの定義は様々あると思いますが、私は2つのポイントがあると思っています。

    スキルとは、仕事でもスポーツでも、相手のため、周りの人のために何かを成し遂げようとする時に、その実践の場で生かされてこそのものだということ。

    スキルとは、自分自身の努力で高めることができるもので、能力に関係なくトレーニングで伸ばすことができるものであるということ。

 

    に関しては、テクニックとスキルを比較するとわかりやすいと思います。例えばサッカーでいえば、リフティングというテクニック(技術)は抜群に上手で何百回でもできる選手がいます。でも試合になるとほとんどボールに触ることができず、周りとうまく連携できずにうまく機能しないことがよくあります。

この選手は、テクニックはあるが、スキルにはなっていないという状態です。

「スキル」にするためには、テクニック(技術)だけでなく、周りの状況やその中での自分の状況を捉える力(見る力)、状況を判断して最善の選択する力(判断力)、判断に応じて素早く的確に体を思うように動かす力(パフォーマンス力)といったものが必要になるのです。

 

    に関しては、トレーニングするためには、具体的に何を、どのように、どうするか?ということが明確になっている必要があります。

この具体化できることが何よりのポイントになります。

先ほどのサッカーの選手であれば、漠然と「状況判断ができていないから、もっと周りを見ろ」とアドバイスしても、あまり効果的ではないのです。

もっと周りをみろと言われても、その選手からしたら、今でも十分周りをみていると思っているので改善のしようがないのです。

 

具体化するとは、「絞ってあげること」でもあります。

例えば、次の日の練習の時に次のようにアドバイスします。

「今日から2週間、基本のパス練習の時に、パスを受ける前に後ろを一回振り返って、後ろに何があるかつぶやいてから、ボールを受けるようにしてみよう」と。

「見る」ということに特化して、いつ、何を、どのようにするか?が明確に絞られている点が重要です。

 

スキルは課題が絞られるからこそトレーニングで磨くことができ、課題はまた次の具体的な課題につながっていくので、自分一人でも高めていけるようになるのです。

 

だからこそ、私はスキルにこれからもこだわっていきたいと思っています。

本当にその人を伸ばしたいと思えば、優しい言葉や温かい言葉をかけるより、課題となるスキルを発見してあげられる人の方が優しい人だと私は思います。

 

私が提供するビジョントレーニングも、学習やスポーツ、仕事のスキルを支える根本的な力を高めるトレーニングです。

特に、「見る力」、「判断力」、「パフォーマンス力」を総合的に高めていきます。

Follow me!