沖縄で、イメージと音を考える
先週は夏の日差しの沖縄に講師として呼んでいただきました。
講座や勉強会では、情報提供ではなく、「イメージの共有」をしたいと思いいつもチャレンジしています。
そんなことを考えながらの沖縄出張で、思いがけない俳優さんとの出会いからイメージ(映像)と音について嬉しい気づきをもらいました。
関西の空港から離陸の直前。窓の外が全く見えない私の耳に、「ドローンのようなものが発見されたので安全確認のため待機」という情報。色々な想像が頭の中でよぎり不安がつのる。(1時間後に無事離陸)
講座の準備で、プロジェクターの設置。試しに映写してみると、明らかにピンクがかった不鮮明な映像。老朽化の問題でなすすべなく講座をスタート。
映像が不鮮明な分、いつも以上に言葉でどう伝えるか? 慎重になりながら話を進める。
いつも以上に聴講者の表情やしぐさをみながら、伝え方を変えていく。
質疑応答を入れて約5時間。眠たくなる人もいるだろうな? 言葉が多くつまらないと感じられているのでは?という不安を感じながら話しきる。
翌日は1日仕事がオフ。夕食を済ませて一人那覇の市街地を歩いていると。
偶然こっちが勝手によく知っている男女の俳優さん二人と遭遇。周りはだれも気付いていないが間違いないと確信。
ホテルに戻ってネットで検索。
なんとその二人が明日那覇の劇場で朗読劇に出演する。
しかもまだ当日券は残っているという情報。
朗読劇。。。敢えて声だけで物語りを進行していく取り組み。
これは偶然ではなく、運命だと思って観劇を即決。
椅子2つのみ。視覚的演出など一切ゼロの朗読劇。
初めての体験だったが、あっとういう間の2時間。
声だけだからつまらないという感覚は全くなく、映画や動きのある劇よりも、声からの情報を頼りに自分のイメージが自由に広がっていく楽しさがあった。
閉幕後、出演者の二人が残り質疑応答の時間が設けられた。
声だけだからこそミスの許されない独特の緊張感から解放された二人から「緊張した~」と安堵の笑みが広がる。
企画の仕掛け人でもある女優さんが、何度も
「正直声だけだからつまらない人いるだろうな~。眠くなる人もいるだろうな~。と思いながら読んでました。」と語っていた。
心の中で、「僕も昨日同じこと思って講座やってました~」と小さく叫んでいた。
「大丈夫。とても面白かったよ~」とも。
たわいもなく、よくあるこじつけと言われるかもしれませんが。私の中では嬉しい偶然で、とても楽しい出会い、出来事になりました。
子どもたちには、人と人とが思いや気持ちを分かち合うためのイメージ力、想像力を磨いてほしいと願っています。
そのためには、色々なものを沢山見て、きれいだな、すごいなと感じる経験も大事。
本を読んだり、人の話を聞いた時に、その声や音から情景を頭の中に描くことも大事。
何でその力をつけてほしいのか? その答えの1つと出会えた旅となりました。