学校の成績にもつながる「見る力」
例えば小学校で勉強する主要教科といえば、最近では英語が加わり、国語、算数、理科、社会、英語。
お子さんをお持ちの親御さんにとってこれらの教科の学校での成績はやっぱり気になりますよね。
私は学習塾の企業で、そんな親御さんを対象にした保護者セミナーも多数経験してきました。
小学1年~3年生くらいのお子さんをお持ちの親御さんのお悩みで多かったのは、
うちの子は、
・漢字を覚えるのが苦手みたいで。。。
・本を読むのが嫌いで読むのは漫画ばっかりで。。。
・字が汚くて、何を書いているか全然分からなくて。。。
・計算も苦手みたいで、学校のテストでも点数がとれていないんです。。。
・算数では特に文章題が苦手で、問題の意味がよく分かっていないみたいなんです。。。
この先のこと、高学年になったり、中学校にいったりした時のことを考えると
とても心配で。どうしたらよいでしょうか?
といったことがとても多かったです。
地域関係なく、東北でも、神奈川でも、関西でも、中国地方でも、どこでも共通のお悩みでした。
皆さんに共通しているのは、「うちの子だけそうなのではないか?」「よその子はもっとできているのではないか?」ということと。
足りないのは、国語力や計算力、理解力など、教科に関する大きな力だと漠然と感じて、とても不安になられているということでした。
世間で耳にする情報にも、○○力など、いつのまにか名前だけは一般化して有名になっている言葉があふれていることも親御さんを悩ませている原因の1つだとも感じています。
例えば「国語力」っていったいどんな力なのでしょうか?
そう質問すると「本を読む力や、漢字を覚える力だと思います」とお答えになる方もいます。
なるほどと思います。
でも困っている人にとっての解決策にはつながらない場合がほとんどです。
本を読むのが嫌い(苦手)→国語力が足りないからだと思う→本を読む力を高めてあげないといけない→本を読む習慣をつけましょう→まずは1日に5分でも本を読む時間を作ってみましょう。
という一連の流れ。
一見とても具体的な提案にみえますね。
しかし。。。3ヶ月後、1年後にもお悩みが解決していないことが多々あるのです。
それはなぜでしょうか?
本を読む子の根本的な理由や原因が解決していないからです。
こういうお子さんが例えば簡単な文章を読んでいる様子を詳しく観察してみます。
例えば、一年生が、「くまのこは きいろいはなを みつけて うれしくなりました」という文章を読んでいる時。
一文字ずつ指で強くおさえながら、く・ま・の・こ・は という感じで一生懸命よんでくれることがあります。
もちろん拾い読みという状態で、読みの力としても課題があるといえます。
でも大切なのは、この先です。
なんで一文字ずつ読むのか?です。
ある子は、文字を目で追うことが精一杯で、一文字ずつ読んでいる。
ある子は、ひらがなの一文字ずつは特訓で覚えてきたので、それを頼りに読んでいる。
(言葉のかたまりとしては読むことを知らない)
など理由は様々です。
文字を目で追うことが精一杯というのは、国語力でしょうか?
これは国語に関わらない、「見る力」の部分です。
本を読むのが嫌いな子の根本原因がこの「見る力」にあることは少なくないのです。
だからこそ、私は学校の成績を気にされている親御さん、お子さんにも「見る力」の課題に注目してほしいと思っています。
その子の根本的な課題が解決できれば、その子の読む力→国語力と言われる力もアップしていくはずです。
そういう意味での国語力が身についたお子さんは、理科や社会、算数の文章問題でも力を発揮できるようになっていけるはずです。
自信をつけて笑顔になってくれたら最高です。
一人でも多くの親御さん、お子さんが笑顔が増えることを願っています。