計算が苦手な子の「見る力」?
新年は足早に1ヶ月が過ぎようとしていますね。
学生の子どもたちにとっては年度を締めくくる最終学期も残り少なくなりました。
この時期、特に小学1、2年生くらいのお子さんをお持ちの親御さんのお悩みの1つは、
学校での算数の状態。
「うちの子は計算が苦手みたいで。」
「引き算ができなくて困っています。」
「文章問題が全然できなくて。。。」
などなど。
共通していえることは、
・うちの子だけができないのでは?
・自分も苦手だったし、うちの子は算数の力が弱いのでは?
と心配されていること。
・算数が苦手なら、計算問題を沢山やらせるか?
・算数について教えてくれる塾などにいかせるか?
その選択肢しかないのかな?と悩んでおられることです。
我が子を思う強い愛情が伝わってきていつも胸があつくなります。
だからこそ日頃からお伝えしていることは、
算数ができない理由は別のところにあることが多いということです。
その1つが、「見る力」です。
眼で見て、頭(脳)で処理をして、体で表現する。の3つ全てが問われる「見る力」。
例えば、13-7= という引き算の計算問題に取り組む時。
- 式全体(13-7=)を丸ごと見ることができるか?(目)
- 見た情報から、引き算の式だと頭(脳)で理解して、記憶情報と照合して答えが分かるか?(頭・脳)
- 答えが分かったら、その答えを適切な数字(この場合は6)として手で書けるか?(体)
このような、目・頭(脳)・体の連動が必要になっているのです。
ここで敢えて世間的によく言われる「算数の力」の部分を抜き出すとしたら、
記憶情報と照合する時に、「13-7は?」と脳で処理をする部分くらいです。
他の部分は、算数、計算に限ったことではない部分です。
まさにそれが、「見る力」の部分なのです。
13-7= の引き算ができない子の多くの場合、
例えば上記①、式を丸ごと見ることができていないケースが多くあります。
大人からすれば、13-7= を一枚の写真のようにまとめて見ることは簡単であっても、
それ自体が難しい子もいるのです。
何度同じ問題をやっても、
1 3 - 7 = というように、左から1つずつ見ている子もいます。
「左から見る」というのも固定概念です。
時には右からみたり、どこから見てよいか毎回迷ったりする子もいます。
だから何度同じ問題に出会っても、「初めまして」と挨拶するように初対面に思えてしまうのです。
大人でも何度も顔を合わせているのに、なかなか顔を覚えられないで、「初めまして」と言ってしまうことありますよね。(半分冗談ですが)
そういう子には、意識して、少しずつ、まとまりで見られる量(文字数など)を増やしていくようなアプローチをしていくことが効果的です。
数字になれていないお子さんなら、他のものを使って必要な「見る力」を高めていくことができます。
例えば、動物のイラストを用意。
何秒か見てもらって、イラストを隠す。
「何の動物がいたかな? 左から順番に言ってみて?」とクイズのように
問題を出してみる。
これも立派なトレーニングになります。
このように、
ビジョントレーニングで身につけていく「見る力」は、学校の算数、計算の土台の力になっていくのです。
私は学習塾の現場でも、「見る力」を意識してつけることで、「計算が得意になっていく子」を沢山みてきました。
何より大切なことは、その子が興味をもって取り組めるトレーニングで
必要な力を少しずつ身につけられるように導いていくことだと思っています。
今年は苦手を克服した笑顔にいっぱい出会えますように! 9,15:15,39:3